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法隆寺西円堂:奈良2008.11

再び法隆寺境内に戻り、大宝蔵殿へ。工事中の金堂から四天王がこちらに移されているのだ。
いつもは暗い金堂内でしか見られない四天王を蛍光灯のもとでまじまじと見る。
四天王は威厳ある表情で邪鬼の上にまっすぐと立っている。後世になると邪鬼は身をよじってアクロバティックな格好で逃れようとするようになるが、この邪鬼はまったく観念したような顔をして、背中に四天王たちを乗せている。四天王も当然というような格好でその背中に静かに立つ。

邪鬼は前から見るとひじをついて両手を上に差し出しているのは、よく見知った姿だが、横や後ろからの格好は始めてみた。前から見た姿がひじをついているのだから、想像すればわかるのだが後ろ足もひざをついてカエルのように四つんばいになっているのだった。それにすべての邪鬼には胸に2つの膨らみがある。邪鬼の一体は牛の顔をしているが、牛であれば乳房があっても不思議はないが、他は?
邪鬼とはそもそも何者なのかというのは、いまもはっきりしないようだが、ここに考えるヒントがありそうな気がする。

四天王が囲んでいる中心には復元した玉虫厨子が置かれていた。本物はさっき、大宝蔵院で見てきたが、こちらは平成に復元したもの。ふんだんに使われた玉虫の羽がエメラルドグリーンに輝いている。なんという美しさだろう。
四天王と玉虫厨子を見ていると閉館のアナウンスがあり、いま見てきた展示室のシャッターが順次閉められている。もう少し見ていたかったが、シャッターを閉める係のおじさんに追われるようにして建物を出た。
最後のもう一ヶ所、行くべきところがあることを思い出した。西円堂だ。早足で西院伽藍の中門前を通り過ぎ、境内西の端にある西円堂へ。間に合った。お堂の中を目を凝らして、中にいらっしゃる丈六の薬師如来に挨拶をした。こちらもお堂を離れたら、戸締まりが始まった。

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